ルノー4考察③ キャトルは乗るもの、見るものではない。

もちろん、好きな人は見ててもいいけど、写真だけじゃわからないよ。だって外見はなんとも男心をくすぐらないものばかり。。でも、実物を見てみて、乗ってみて、そんな心をくすぐらない第一印象なんてくだらないものだと思ってしまうから。。

カルマンは外観が好きだった。今でも好きだ、特に斜め後ろから見たラインがとってもセクシーでなんともなんとも堪らない。けど、キャトルを外観からみただけではそんなことは思わない。(ごめんなさい!)

しか~し、実物を見ると違うのだ。

今、流通しているキャトルの内装は、ほとんどこれ。                       この色合い、アンティーク好きな方からは敬遠されがちなトーン。私もそうだ。         なに?この色合い、もっと渋い茶色系とか”革”感をほうふつさせるものが欲しいと多くの人が思うだろう。ところが。。。                          新車のときはわからない、でも30年もの間でこの青は写真ではわからない渋みのようなものが実際にはある。 そう、新車じゃダメなの、ピカピカじゃダメなの。30年熟成しているから実物は素直に受け入れることができる。                    このシート、破れている車両があるみたいだけど、よ~くみるとただのビニールではなく繊維が違う、ツルツルではない触るとザラザラなのだ。これはまさにキャンバスね。繊維が表面までしっかりしている。あまりのびない素材だ。それゆえ30年たってもヘタっていない車両が多いのはこのためだろうか?(ひどいものある見たいね。そう、車のためにもダイエットしようね!)

そしてこのインパネ類。 旧車っぽくない。 外観馬車なのに、パネルがなんか中途半端な未来的。。これも男心をくすぐらない要因のひとつかも。アーリーカルマンのように鉄板剥き出しだったらいいのに。。。ハンドルも細くて大きいのがいいわ。。。でもね、時代背景からして正しい位置づけね。車の基本設計はもっと古いとしても、この個体は80年代、90年初頭の駆け抜けた車なのだ、今は、これが旧車としてあるべきスタイルなのかも知れない。20代、30代の方たちに受けれて欲しい昭和後半のあるべき姿です。

そして特徴的な、このシフト。 キャトルやサンク、2CVなどにある独特なこの操作感、これは使いやすいというよりもとても楽しい他では味わえない楽しいシフト操作です。

そして関心なのがこのキャンバストップ、キャンバスと言ってもこっちは表面がビニール的、なのでザラザラしてない。アーマーオールを塗っておくとツルっツル、水をはじくの。そのためか全面に染みのようなものはまたく見当たらん。 そしてなぜか破れも、ヒビもない。30年経過したビニール系素材がこのクオリティーであることはなんとスゴイことか。そして隙間風も一切ない。雨の日は乗っていないからわからないけど、他の方の様子をみても良好のようだ。なんてしっかりした作りなのだろう。。やっぱり馬車とか、そういう歴史がないとこれは作れないだろうと勝手に推測した次第である・。

そして最後に、以前も書いたように、静かでまっすぐ気持ちよく走ること。         これは何より好ましい。ハイオクだけど燃費もいい(下道で15km/l)                                           昨今、日本のS社、T社の2000年代車両を乗ったけど、少なくともS社の車よりちゃんとまっすぐ走る。細かない修正がいらない、だから疲れにくい。パワステなんかもちろんないからハンドルフィーリングは重いけれど、カルマンのようなRR車を乗っていたからという私の錯覚とは違うと思う。ただ重いのではない何かがあるようだ。(重いと言ってもあるハンドル角度からは軽くなる。きればきるほどに。。。そう、小路などで角度を要する場合をちゃんと考慮してあるかのように。。。)

まっすぐ気持ちよく走ること。これはフロントのサスもそうだけどもしかしたら後輪の上下に長い柔らかいサスストロークがフロントヘビーの状態でも後輪の役目をしっかり果たし、うまくカバーしている関係ではないかと勝手に推測するのであった・・