ちょうど100年前なのよ~

今日はお休みをもらった。以前から出かけたいと思ったところへ行ってみよう。でも。。。

昨日の夜から雨。。雨音でさえ気になり熟睡できない自分。。。。しかも朝になっても天気はすぐれない。。。やめようか?と何度も思ったけど、なんだかどうしても行きたいのはなぜだろう?   天気を気にしながらも数十分後にはすでに峠を越えていた。

最初に到着したのは南軽井沢にある軽井沢高原文庫。この日は遠藤周作展をやっていた。文庫内には今まで知らなかった本が沢山あった。どれもこれも買いたいと思う気持ちを我慢して野上弥生子堀辰雄有島武郎の元別荘をみてきた。

野上弥生子荘 こちらは北軽大学村にあったそうな・・(小生はこれが一番好き)

堀辰雄荘 今も軽井沢にある室生犀星邸と同じ杉の皮貼り外装

こちらは有島武郎荘 今は喫茶店

そのテラス。こちらで一服、至福の時間。

あ~、ここであの人達はあの小説を書いたのかと思うと感慨深い。でもどれも、元の場所にはなく移築したものばかりであるのが残念ではある。。有島武郎元別荘は喫茶店になっている。そこのテラスで軽い昼食をした。スコーンを頬張りながら珈琲を飲む、店内においてある雑誌などを見ながらのんびり。。。周りは少々うるさいけど、これは実に気持ちがよかった。 ちなみ軽井沢高原文庫で購入したものは詩人、立原道造の絵葉書数枚。これはいい。特に洋燈の絵が描いてあるこれいいな。

   『願いは。。。。 あたたかい洋燈の下に

           しづかな本がよめるやうに!』

と書いて洋燈と椅子の絵が添えてある。とても短い詩だけど、氏らしくてなんだかとてもほっこりして見ていて和むな。う~ん、小生もヒヤシンスハウスみたいな小屋を建て、そこで洋燈(ランプ)の灯りの下でくつろいでみたいものだ。 

この後旧三笠ホテルに行ってみた。そこまでの並木道が実は草軽鉄道跡だとは最近知ったこと。そう思うとこれまたロマンに浸る。。旧三笠ホテルは文豪も訪れている、館内の写真にそれがあった。三笠ホテルは明治39年営業開始。今は重要文化財。外観もステキ。内装も興味深い、小生の場合、特に小物が気になる。館内のランプシェード、スイッチ、水道の流し台、鏡、手すり、家具の彫刻うんぬん。。。でも、これ、だれもいなかったら多分相当怖いと思う。。。。特にバスルームと廊下には夜な夜ななにかいそう。。なんて。。。

その後 旧軽通りにある土屋写真店に行って当時の写真を焼き回し?したものが売っていたなと思い訪れてみる。沢山ある中である一枚購入。昔の旧軽井沢銀座の写真らしい何度かネット上でも見たことのある写真だ。特に中身を気にしていたわけではないのだけどなぜかそれをセレクト。お会計時、ここのおば様がこの写真、これね、ここにいるのが私の父よ!大正2年、1913年、今からちょうど100年前よ。 ってすごいな、さすが土屋写真店、老舗だわ。ちょうど100年というあたり、小生には関係もないし、なんでもないのになぜかうれしい。 

そこから離れ、小径を散策。今日のメインだ。ハッピーバレーとささやきの小径。。どちらも堀辰雄の小説にも登場する道だ。とくにハッピーバレーはそこへ行くには標識などもない苔むした石畳のこれぞ軽井沢別荘だと思わせるような素敵なところだ。川端康成の別荘もここにあった。その別荘で堀辰雄は、小説『風たちぬ』の最終章を書き上げたということなので是非訪れてみたかったのだ。実はそれを読んだときすごくそれが頭の中で想像できて、全然知らなかったけれども、もしかしたらあのあたりかな?なんて読みながら思っていたので前々からそこを訪れみたいと思っていたのだ。。その別荘は少し上ったところにあるので残念ながら近くまで行くことはできなかったけれど場所が確認できただけで十分満足です。                              古い別荘は暖炉の煙突が特徴的でそれを見れただけでももうれしい。 いくつかある古い別荘ではテラスで話声がする。。。う~ん、ウラヤマシイ。。。。毎夏こんなところで過ごしてみたい。心も体も元気、と、いうよりも豊になりそうな気がする。。。。。

ささやきの小径

ここがハッピーバレー。もうちょい上に行くと古くなりもっと苔むしよりいい感じとなる。

雨が気になり早々と帰宅。。。もっと天気の良い日にもうちょっとのんびりしたいな。今まで何度か目にしていたそれらもの通りや物。。。今まではただのモノだった。。でも、あることを知ってからはそれは浪漫に変わった。まったく身勝手なものだ。

最後におまけ。旧軽銀座横にある桜の大木があるお寺に掲示してあった。

『情で包んで理で諭す。正しく子育て、人つくり』 

実はこれが今日、一番心に染みたわ。