いまさら堀越二郎氏

小生、文学者 堀辰雄氏は知っておりましたが堀越二郎氏の事は知りませんでした。お恥ずかしい。。(さらに、小説”風立ちぬ”はこの年になってつい、二年ほど前に読んだという無知ぶりですけどね)

藤岡市の歴史資料館で堀越二郎氏の企画展をやっているというのを昨日知り、今日の午前9時開館ぴったりに行ってきました。

藤岡市サイト

http://www.city.fujioka.gunma.jp/kakuka/f_bunkazai/h25_2kikakuten.html

無料でもありましたし、ジブリの影響というのでしょうか、暑いのに人が絶え間なく来ていました。若い女性も意外と多かったのはやはり映画の影響でしょうか。。。。映画で。。。。と実は私もそのひとりですけどね。

氏のことを全然知らなかったのは恥ずかしいと思い、今更ながらという次第です。館内は撮影禁止でしたのでここで写真の紹介はできませんがその中でなるほどと思ったことを一つ勝手に紹介です。知ってる人は知っていることなのでしょうけど。。。。

エレベーター(機首の向きを上下方向に変えるために必要な昇降蛇)のことです。2本のワイヤーでエレベーターと操縦桿は繋がっているのですが、そのワイヤーを剛性ギリギリまで細くすることで高速飛行時には大きな力がワイヤーに働くのである程度の伸びが発生し、操作舵角よりもエレベーターの舵角が小さくなる。一方低速飛行中ではワイヤーの剛性が十分なので操作した舵角に対して素直に反応するという機械式速度反応型昇降装置です。  ななな、なんとっ、そんなギリギリを狙うなんて無茶な!という感じですがそれがまさにゼロ戦!?ということなのでしょうか。軍の無理な要求に答えるために極めるべきことは徹底した軽量化、それが導き出した答えであったというようにこのワイヤーも軽量化とい課題をクリアしながら操作性の向上という事までも成し遂げてしまったという見事なエピソードです。まさに一石二鳥、このことはゼロ戦アメリカ軍にわたってからも何故、ゼロ戦の操作性があれほどまでに素晴らしいのか解明できなかったということです。 そりゃそうだよな、人が乗る飛行機、まして戦闘機。そんなスペックギリなワイヤーを使うなんてアメリカ軍にはまず考えられないことのひとつかもなあ。

ところでそんなエレベーターですが、アキレス健でもあったようです。このことは資料館には記述されていなかったと思いますが他サイトで知りました。それは軽量化ゆえに発生する剛性の不足。最初の段階での話(それも試作機)のようですが、エレベーターにつけられたマスバランスを支える支柱が飛行中に破損しフラッターによる操縦不能、そして空中分解を引き起こしたと。。。(あー、懐かしい、マスバランスとかフラッターとか。。ラジコン飛行機やってたころに使ったな、その言葉。。あ、そうそう翼端失速防止のためのねじり下げとかのことも記述されていたし、氏の自筆手紙、色んな設計図などもありましたヨ!)。 で、小生が思うにですが、このフラッターと剛性ギリのワイヤーには、関連性があると勝手に分析しているのですけどね、うん、きっとそうに違いないと、ラジコン飛行機を作って飛ばしてたときにいい加減なリンケージでいく度と飛行機を墜落させた小生ですからそれはおおいにあるだろうと思う次第で。。。

館内には地元のお子さん?(大人だったらごめんなさい)が作ったゼロ戦の模型がありその中にペットボトルロケットみたいにしながらそれを見事にゼロ戦っぽく作ってあるのをみました。 おー!、きみ、これいいじゃないかきみも将来の堀越二郎さんだよ。なんて感動しておりました・