In the midwinter forest
あたりが茶色ばかりの森で
遠くでつぶやく森のささやきを感じながら
独り突っ立っていると
あたかも自分が彼らと同じものであるかのように思えた
春や夏には沢山のアクセサリーを身に着けた彼らも
今は、しんとした空気のひとつになってただ、
僕と同じく突っ立っていたからだ
ほどなくして森の住人達のおしゃべりが聞こえだして
ちょっと怖いと思うくらいに向こうから
彼らが押し寄せるようにやってきた
彼らもまた同じく、茶色や灰色ばかりの衣装を着ていた
なかにはこっそり淡い緑を羽の下に忍ばせていたけれども
まぬけな人間が突っ立っているのにびっくりして
彼らの一人が、ちょっと怒っていたり、
どんな輩かと覗きにきたおせっかいなものもいたりして
それでもなにやら楽しそうだった
必至に生き抜こうとしているのにね
そんな彼らと短い時間を過ごしていたら
茶色ばかりの森の隙間から青い空が覗き込んで
いつの間にかなにかポカポカしたものが
僕の内側に充満していくのを感じていたんだ
ありがとう
やっぱり、ここに来てよかったよ
In the midwinter forest