JAZZと喫茶と一人飲み

そう、あの日はイタミくんに誘われたっけ、高校の頃、朝、ちょっと遅め(と言ってもちゃんと始業前) 周りの皆が遅刻しないよう急ぐ中、イタミくんはその流れに逆行してノタノタと歩いてくる、私を見つけると、彼は手を上げてニコニコしながら、”よう、これからモーニンへいかねーか?” なんというお誘いだろうか、これから授業があろうというのに彼は私を誘って喫茶店へふけこうもというのだ。 私は、そういうフジュンなことはしたことなかったのに、彼の笑顔に誘われて、”そうだね” と二つ返事。。。    それがきっかけでその後同じような事がいくつかあった、まったく悪い友達だ。でも、あのすばらしい笑顔は今でも忘れない。 もし、今でも会社に行く途中に彼が同じように笑顔で”よ~”などど誘ってきたらあのときと同じように会社を休んでしまいそうだ。     彼の言うモーニンは、JAZZ喫茶ではない。いや、もしかしたらそうだったのかも知れないがどちかというと朝からやっているスナックみたいみたいなところで大通りに面した小さなお店でガラガラ声で化粧のどぎついママがやっているお店だ。                  その店は、平日の昼前なのになぜかいつも数人の顔なれた高校生がたむろしていた。     そう、モーニングが350円。 サラダとトーストとコーヒーがつく、ママはいつも渋っていた、モーニングごときでたむろされては儲けがないと。。。 でも、そんなことはお構いなし、なぜならそこでは高校生ながら煙草がぷかぷかと吸えたから。。          モーニングを出すからモーニン。。ママの小言をよそにそういう貴重な場所を皆が放っておくハズもなかった。 でも、モーニンという何にふさわしい正真正銘のJAZZ喫茶が、駅前のくねくねした人通りの少ない店に存在した(今も高崎にはモーニンという店があるがそれとは違う)。そこは、イメージとおりあか抜けた感じなくまあまあディープな感じであった。分厚い木のテーブルが懐かしい。。あ、ここも煙草吸ってても大丈夫だったな。。。タケウチくんが最初に連れてってくれたっけ。                           あ、そうそうサッチモという店もあったな、ここは今はなきポルノ映画館ピカデリーの通りにあるちゃんしたJAZZ喫茶だ。奥には大きなスピーカーがあって真面目なJAZZ喫茶だった。なのに合コン(当時は合コンとは言わなかったけど。。。あれ?なんていったっけ、あ、そうそう、コンパだ。)で使わせてもらって、おしゃべりが盛り上がり、たいそう店員に怒られたのを思いだしたな・・ここは最初イトウ先輩が連れてってくれた場所だ。 なんで連れてってくれたかというとウインナ珈琲を飲んで感動したので後輩の私に自慢したかったからだ。ウインナとは赤いウインナーがのっているかと思いきや、生クリームが珈琲の上にのったとってもオシャレかつ美味しい珈琲だった。ただ、そこへ行った理由もたばこが吸えたからかも、イトウ先輩がウインナ珈琲を飲みながら煙草をくゆらし、先輩らしい講釈をちゃんと聞いていた自分がいじらしい。。。。って、思えば喫茶店の名の通り高校生でもちゃんと煙草をごちうそうになっていた店ばかりだったな、もう35年以上も前のことだ。。。。。           そういう過去の経緯があったからなのか、JAZZを聞くとなんかしっとりくる。昔聞いたことある音楽というものは、特になにがどうのというわけでもないのに、今になってまじまじ聴くとなんともいい感じになるときがある。特に女性ボーカルの声に魅了される。 ただ、昔と違うのはそのお供が今は珈琲ではなく、アルコールになっている。とくにJAZZとウイスキーの愛称はバツグンだ。こんな素敵な組み合わせはない。お隣さんの顔もよくわからないくらいな照明の中、小さなライトのみでテーブルをほんのり灯し、手にするテイスティンググラスをくゆらす時間は、なんと至福なときだろうか。        ただ、昨今のウイスキー盛り上がりのせいでちょっと静かに飲めなくなって あ~と思うことがある、しかし。。。これは自分が若いころJAZZ喫茶だというのにおしゃべりばかりしていた迷惑ものへの仕返しかもしれないな。と思ふのであった。色々とごめんなさい。。。