一級河川に架かる木の橋

新幹線に乗って出張することがたびたびある。 もう何度も。。先日ふと新幹線から木の橋が見えた。 ”あ!こんなところにあったのか、今もあったんだ”子供の頃のかすかな記憶がよみがえった。だれと遊んでいたのかも覚えていないけれど家からすごく遠く(当時はそう思えた)に細い木の橋があってその橋を渡るのがものすごく怖く感じたのを覚えていた。その横を電車が走っていたな~田んぼに囲まれた場所で夕方近く日が暮れようとしているのに自転車が草などにからまって広大な田んぼの中から抜け出ることができずにこのまま帰ることができないんじゃないかとすごく冒険気分にかられたことがあった。今までも何度か思い起こすことはあったけれどしばらくその橋の場所なんて記憶の中から忘れさられていた。 思い出しちゃったら行きたくなってしまった。早速カルマンでお出かけ。(小雨が降ってるのに)、あ、みつけた。でっかいマンションの脇にある今でも不思議な雰囲気の橋だった。当時と比べ幅もあって随分立派になっているな~、昔の記憶では自転車でも往来するのがやっとだったような。。。。 近くまでは車で行けますが流石にこの橋は二輪車以下でないと通行不可。 佐野橋 利根川水系一級河川に架かってしかもこれだけ長い木の橋は今となっては珍しいな~。これでも橋の途中から撮った写真ですからね。 調べてみるとこの橋は佐野橋というのですね。2007年9月の台風による影響で橋が壊れてその年にまた木で作り直してます、凄いな~。 さすがに橋げたは鉄骨になってますが。なんで今更そこまでするのかと思ったらこの橋には歌があってその歌碑が市の重要文化財になっているとのことです。    『かみつけの佐野の船はしとりはなし              親はさくれどわハさかるかへ』 とあって、なんでも男がこの橋を渡って女のもとに通っていたのを、親が嫌って、橋の板を取り放しておいたのを、男は知らずに渡って川に落ち死んでしまったとか、その男の亡霊が現れ、男は女のもとに通い、橋の板間から川へ落ちた有様を学んで見せ、「東路の佐野の船橋」の歌に詠まれたとか。 う~ん、そうか、この橋は木でなくてならないのだ。もし鉄骨で作ってしまったらその歌碑が歌碑である意味がなくなるのね。 まさか、今でも橋の一部が取り外せるようになっているなんてことないだろうけど。。。(ホントにどこかにカラクリを残していたら凄い!ーな~んて。)、子供の頃からなんとも不思議な雰囲気のする橋だな~なんて思っていたけど今もなお、この橋がなんとなく不思議な雰囲気を醸し出しているのはこの橋のそーいった由来、そして今あるその不釣合いな景色。だって、写真では景色しか見えてないけど小生の立っている側にはどでかいマンションがあってさらに その後ろには新幹線が行き来きしている、そして写真でも写っている陸橋が交差するかのように架かっている。近代とちょい古と凄く古いが混在する場所なのね。 佐野橋は作り直されたばかりですが、そーなると電車が走っている隣の陸橋の方が断然古い!橋げたをみればほれ。 レンガじゃん レンガじゃん! 橋げたの残骸らしきものはこの陸橋の川の中にあたる部分を作りなおしたときに放り出されたままの橋げたの残骸じゃ。う~んなんとも。。。 佐野橋をあとにしてもう1つの木の橋へいってみた、まさに(ハシゴ?) こちらの橋も一級河川に架かる橋ですが佐野橋と作りはそっくりですが長さは佐野橋とくらべて2/3くらいかな? 中華橋 この橋も二輪車以下でないと×。 こちらも以前から木でしたがやけにキレイなので何度も作り直されていると思います。 この橋についての話はちょっと調べたかぎりなさそうでした。 ちなみにこの橋には名前が刻んでありません。なぜだろう? どんな短い橋でも必ず名前は刻んであるものだと思っていたが。。 ちなみこの橋は中華橋です、名前が中華橋なのかこのような橋の作りを中華橋と呼ぶのかはわかりませんけどとにかく中華橋です。 こんな木の橋ばっかり見せてるとここらには木の橋しかなそうに思われますが立派な鉄橋が五つもあるその狭間にこの木の橋、しかも 四輪車通行不可の橋がいまでもあるのがなんとなくおもしろい。 カルマンで行ったというだけでなんにもカルマンネタではありませんでしたが何故か急に素朴な橋が見たくなってしまった今日でした。